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このページでは、公衆衛生局や研究所がCOVID-19ワクチンのブレークスルー症例を調査・報告するための情報やリソースを提供しています。
ワクチンブレイクスルー症例は予想されます(Vaccine breakthrough cases )。COVID-19 ワクチンは有効であり、パンデミックを抑制するための重要な手段です。しかし、ワクチンを接種した人の発病を100％防ぐことができるワクチンはありません。完全にワクチンを接種した人でも、COVID-19によって病気になったり、入院したり、死亡したりする人がごく一部存在するでしょう。
2021年7月19日現在、米国では1億6,100万人以上が完全にワクチンを接種しています。他のワクチンと同様に、ワクチンが期待通りに機能していても、ワクチンブレイクスルー事例が発生します。また、ワクチンを接種した人の無症候性感染も発生します。
- ワクチンを接種しても病気になってしまう人は、ワクチンを接種することで病気が軽くなる可能性があるという証拠があります。
- 現在のデータによると、米国で使用が許可されているCOVID-19ワクチンは、現在米国内で流通しているほとんどのSARS-CoV-2の亜種に対する予防効果があります。しかし、亜種によってはワクチンが効かないケースも出てきます。
CDCの取り組み
CDCは、COVID-19ワクチンが期待通りに機能していることを確認するため、複数のワクチン効果研究を主導しています( vaccine effectiveness studies )。さらに、CDCは州や地域の保健局と連携して、COVID-19ワクチンを接種した人のSARS-CoV-2感染症spdfアイコンを調査し、以下のようなパターンや傾向を確認しています(state and local health departments to investigate SARS-CoV-2 infectionspdf)。
ワクチン・ブレークスルー感染症の定義
このサーベイランスでは、米国食品医薬品局（FDA）が認可したCOVID-19ワクチンの推奨接種回数をすべて完了してから14日以上経過した人から採取した呼吸器検体から、SARS-CoV-2のRNAまたは抗原が検出された場合をワクチンブレイクスルー感染と定義しています。
入院または死亡したワクチン・ブレークスルー症例の特定と調査
2021年5月1日より、CDCは報告されたすべてのワクチンブレイクスルー症例のモニタリングから、原因を問わず入院した症例や死亡した症例のみを特定して調査することに移行しました。この移行により、臨床上および公衆衛生上の重要性が最も高い症例について収集されたデータの質を最大限に高めることができます。
州の保健局は、ワクチン・ブレークスルー症例をCDCに報告しています。CDCは現在、報告された入院または死亡したワクチン・ブレークスルー症例について、患者の人口統計、地理的位置、ワクチン接種後の時間、ワクチンの種類、SARS-CoV-2の系統によるクラスタリングを監視している。報告されているデータには、COVID-19に関連しない原因を含め、あらゆる原因による入院または死亡した症例が含まれています。
SARS-CoV-2のRNAが陽性と判定された呼吸器検体は、可能な限り、感染の原因となったウイルス系統を特定するためのゲノム配列決定のために採取される。
一部の保健所では、ワクチンによる感染が起きた症例をすべて国のデータベースに報告し、CDCに検体を提出して配列決定を行うことを継続しています。しかし、CDCは報告された入院例や死亡例を中心にモニタリングを行います。
COVID-19ワクチンによるブレークスルー症例を報告するためのデータアクセスおよび管理システムの開発
CDCは、COVID-19ワクチンによるブレークスルー症例を報告するための全国規模のREDCapデータベースを開発しました。このデータベースでは、指定された州保健局の調査員が、管轄区域内の症例に関するデータを入力、保存、管理することができます。州の保健局は、その管轄区域から報告された症例のデータに完全にアクセスできます。
最終的には、CDCは全国通知疾病サーベイランスシステム（NNDSS）を使用してワクチン・ブレークスルー症例を特定します。CDCは、ある州がNNDSSに予防接種履歴データを報告できることを確認したら、CDCはそのシステムを通じてワクチンブレイクスルー症例を特定します。その時点で、州の保健局はREDCapデータベースに直接症例を報告することをやめることができます。この変更後、CDCはNNDSSに報告された利用可能なデータをREDCapデータベースにアップロードし、州保健局による更なるレビューと確認を行います。
2021年7月19日時点でCDCに報告されたCOVID-19ワクチンのブレークスルーによる入院または死亡例
2021年7月19日現在、米国では1億6,100万人以上がCOVID-19に対する完全なワクチン接種を受けています。
同時期に、CDCは米国の49の州および準州から、COVID-19ワクチンのブレイクスルー感染で入院または死亡した患者5,914人の報告を受けました。
| CDCに報告された入院または死亡したワクチン・ブレークスルー症例 | 5,914 | |
|---|---|---|
| 女性 | 2,881 | -49% |
| 65歳以上の方 | 4,392 | -74% |
| 無症候性感染症 | 1,164 | -20% |
| 入院* | 5,601 | -95% |
| 死亡† | 1,141 | -19% |
*1,529（27％）は入院5,601件のうち、無症状またはCOVID-19とは無関係と報告されています。
†1,141件の死亡例のうち292件（26％）が、無症状またはCOVID-19に関連していないと報告された。
2021年1月～4月にCDCに報告されたすべてのワクチンブレイクスルー症例に関する過去のデータ / 翻訳版があります。
これらのデータの解釈について
CDCに報告されたCOVID-19ワクチンによるブレークスルー感染者数は、完全にワクチンを接種した人のすべてのSARS-CoV-2感染者数を下回っている可能性が高い。国のサーベイランスは受動的かつ自発的な報告に依存しており、データは完全ではなく、代表的なものでもない可能性があります。これらのサーベイランスデータはスナップショットであり、ワクチン・ブレークスルー症例のパターンを特定し、シグナルを探すのに役立ちます。
ワクチン・ブレークスルー感染者のうち、入院または死亡した患者のデータは定期的に更新されます。米国内の複数の施設で、臨床状態にかかわらず、すべてのワクチン・ブレークスルー感染者の情報を含む研究が行われており、全国的なサーベイランスを補完することになります。
COVID-19ワクチンの効果
- ワクチン・ブレークスルー症例は、ワクチン接種を受けた人のごく一部にしか発生しません。現在までのところ、ワクチンブレイクスルー感染が報告された人々の症例の属性やワクチンの特徴に、予想外のパターンは確認されていません。
- COVID-19ワクチンは有効です。CDCは、12歳以上のすべての人に、できる限り早くCOVID-19ワクチンを接種することを推奨しています。
- 完全にワクチンを接種した人は、パンデミック前に行っていた活動を再開することができます。
CDCは、COVID-19ワクチンによるブレークスルー症例を確認した地域の保健局、医療提供者、臨床検査機関に対し、以下のことを奨励しています。
さらなる検査のために、呼吸器検体の保管を依頼する。 さらなる調査と国のシステムへの報告のために、その人が住んでいる州の保健局に報告する。 入院や死亡に至ったCOVID-19ワクチンのブレークスルー症例は、Vaccine Adverse Event Reporting System (VAERS)の外部アイコンに報告してください。
州保健局の場合
- ワクチンブレークスルーの可能性がある症例が確認された場合。
- 報告された症例がこれらの基準を満たしている場合、CDCは州の保健局に以下のことを促します。
- COVID-19 ワクチンによるブレークスルー事例の調査を開始するための手順に従ってください。
- 症例を COVID-19 ワクチンブレークスルー REDCap データベースに記録する。
- CDCは、COVID-19ワクチンによるブレークスルー症例の原因となったSARS-CoV-2の系統を、変種も含めて特徴づけたいと考えているからです。
- PANGO系統とGenBankまたはGISAIDのアクセッション番号をCOVID-19ワクチン・ブレークスルーREDCapデータベースに入力して、州の公衆衛生研究所、商業基準研究所、または学術研究所から配列結果を報告する。
- SARS-CoV-2の配列決定が現地で行われず、受け入れ可能な臨床呼吸器検体がある場合は、検査機関に残存する呼吸器検体をCDCに送付するよう指示する。
- RT-PCRサイクルしきい値（Ct）が判明している症例では、Ct値が28以下の検体のみをCDCに提出し、シーケンスを行う。(Ct値が高い場合は、シーケンスは不可能です）。)
- Ct値がわからない場合（例：抗原検査のみで陽性、またはCt値がわからない分子検査で陽性）でも、RT-PCRおよびシーケンシングのために陽性検体をCDCに提出することができます。
CDCへのワクチン・ブレークスルー症例の配列データまたは呼吸器検体の送付方法について
- CDCは、変種を含むSARS-CoV-2の系統を評価するために、COVID-19ワクチンによるブレークスルー症例からの配列データと呼吸器検体の提供を希望している。ワクチン・ブレークスルー症例が確認された場合、保健所は検査機関に連絡し、陽性反応が出たときに残った呼吸器検体をCDCでの配列決定のために預かるよう要請する。
- また保健所は、検体のID番号とRT-PCR陽性の場合はCt値を要求する。 SARS-CoV-2の塩基配列決定が地元で行われず、検体が入手可能な場合、州の公衆衛生研究所は残留した臨床呼吸器検体をCDCに後送するよう要請する。 RT-PCRサイクルしきい値（Ct）がわかっている症例では、Ct値が28以下の検体のみをCDCに提出し、シーケンスを行ってもらう。
- Ct値がわからない場合（例えば、抗原検査のみで陽性の場合や、Ct値がわからない分子検査で陽性の場合）でも、RT-PCRと潜在的なシーケンスのために、陽性検体をCDCに提出することができます。
- COVID-19ワクチンによるブレイクスルー症例を発見した場合は、州の保健局に報告し、CDCでの調査を開始してください。
- これらの指示はこちらでもご覧いただけます。 NS3 Submission Guidance Documents
